【注意事項と導入】
①まずブログ主はまだ15巻を読んでません…。ですがこの記事における発想は一年以上前から持っていました。15巻で急展開があって間違ってたらごめんなさい(-_-;)
②ブログ主は仏教の宗教勧誘をしたいわけではありません。宗教の話ではなく哲学の話をしたい。
【古代仏教は宗教というより哲学】
ゴーダマ・シッダルータ(ブッダの本名)が当時悟って広めた内容、則ち原始仏教というのは宗教性はほぼなく、哲学メインでした。
彼は念仏唱えると極楽浄土に行ける!というような話はしてなかった。後世 色 々 あってそういう流派ができたのです。ネストリウス派キリスト教と浄土宗の関係性まで話をするとだれかが来るので黙ります🤐。
ブッダが説いた世界観は現代物理学とも通底するところもあると指摘されております。精神医学の世界でも原始仏教的思考は一つの認知療法として注目されてます。有名なものがマインドフルネスです。
原始仏教は古代インドで生まれました。インドといえば『0』という概念を発明した数学大国です。そんなインドで生まれたので本来は理系向けの哲学でした。理数系に耐性があるインテリしか理解できなかったので途中から念仏唱えても悟れるとかお釈迦様崇拝という宗教っぽい設定が追加されたのです。(仕方ない面もあるし多少はね?)
以上より今回は仏教を宗教ではなく哲学としてお話ししたいと思います。
以下の講義メモを前提とさせていただきます。
【クリードさんとルインさんが般若心経に隠れてた⁉️】
アンデラは一見キリスト教的世界観をモチーフにしているようですが、最後にアンディと風子がたどり着く先は仏教的価値観である、というのが私の数年来の考えです。
アンデラに登場する能力は「否定」です。どんな能力名も必ず「不」がつきます。「不」がオンパレードなのでなんとなぁく般若心経っぽいなぁとリズム感覚で思ってました。しかし当初はキリスト教的世界観が目立ってましたので深く考えてませんでした🤤
最初は不死やら不運やら不変やら馴染みのあるワードのみ出てきたが、不減が出てきたとき正直…日常で使うか?ちょっとこれは無理がありますねぇ…と心の中で疑問符を浮かべました。しかし脳裏にふと般若心経が浮かんで気づきました!
おい、般若心経にクリードさんおるで!!
よかったな、クリードさん…あんた、第一回人気投票で斧星人アクス兄貴に負けてたやんけ…。よかったよかった君はここにいる!物語が続いて表れたキャラクターの不滅君もここにいた(笑)
この「不生不滅 不垢不浄 不増不減」というフレーズに二人も否定者がいる😂
もはやアンデラと仏教を関連づけてもよいのではないでしょうか。
【般若心経のざっくり紹介】
般若心経とは単なる呪文の羅列ではありません。シャカが悟った世界の真理を超短く書いた文章(ツイートレベルに落としこんだようなもの。)です。
般若心経はインド⇒中国という過程を経て日本にやって来ました。当然ですが昔からインドは漢字を使いません。シャカがいた当時に近い言語はパーリ語です。そこからサンスクリット語やら漢語に至った都合上 色 々 限界があったりしますが(現代宗教学では般若心経は間違い扱いされてる)、それでも日本仏教では重要な地位にあります。
【この世の真理は『空』である!】
宗教学ガチ勢からは間違い扱いされてる般若心経によると…
ブッダはこの世とは常に変化している諸行無常の世界、実体のないホログラムのような仮想現実でありまさに『空』であると結論しました。
ここでいう『空』の概念が空っぽのみを意味するものではないので注意が必要となります。絵を描いてみました。
私のコップの比喩がでまかせでない証拠として関連リンク貼っておきます。
人はよく「不足」に焦点を当てます。無い状態ばっかり見ては不満を垂れます。
○○がない…、××がない…と否定的になりますけれど、シャカに言わせればこの世界は諸行無常で常に変化する「空」の世界なのでそれも実体がないと看破してます。
一瞬事実として存在しているように見えるものも次の瞬間移り変わるから実体なんてないんだぞといっています。
「不生不滅 不垢不浄 不増不減」というフレーズは訳すと生まれるわけでも死ぬわけでもなく、汚いわけでも清潔なわけでもなく、増えるわけでもなく減るわけでもなく…ということです。不生不滅という部分はアンディとルインの対比見ているようで何だか面白い。
結局のところ常に万物は流転する。変化する。実体なんてないんだから「不足」という一瞬の状態だけに焦点を当てず、別の視点から物事を観察してみなよ。そしたら肯定できるかもしれないじゃない。
戸塚先生がアンデラで提唱する認識を変えてみることによって肯定してみようという思想は仏教的観点から見るとすっと腑に落ちる。戸塚先生は雑誌『ダ・ヴィンチ』のインタビューにて、否定されるような人も肯定したいという気持ちでアンデラを描いているとお話しされておりました。「不足」ではなく「充足」に焦点を当てる努力をしよう。
肯定というととりあえず褒め合うことだと早合点しがちだが、ちやほやしたりうわべで褒め合ったり馴れ合うことは…肯定とは言わないだろう。過剰に私を褒めて!と要求するということは、深層心理では自分の不足に焦点を当て続けたままだから。本当の意味での自己肯定を探る旅が『最高の死』への旅ともいえるのではないでしょうか?
【エピローグ】
本の中編ラストにて、魂は不滅だとアンディが「悟り」、輪廻転生という概念をジュイスが持ち出したときから私の中でパズルのピースが嵌まりました。私はアンデラ先輩原始仏教説を推してます。魂は不滅という概念は西洋的にいえばプラトン主義であり、東洋的に言えば古代仏教で解釈することもできると思います。麻雀でいえば両面待ち状態。
アンデラは哲学、はっきりわかんだね!
このような話はTwitterのような短文型SNSで語るのは限界があった。ブログでこういう話ができて本当に良かった。一応「はじめに」の方でも無暗矢鱈なリンクを禁じる旨を書いておりますが、この記事の内容に興味があるアンデラ東洋哲学勢の方によるリンクはOKですよ!
今回で終わりではなく、アンデラと仏教の関係性をジーナの発言からも検証できたらと思います。『空』イラストにジーナばーちゃんを登場させたのは布石です。
待て次回!ジーナの命日までにはできたらいいな…。