前回記事はこちら。
【今回の注意事項】
今回は話の流れから途中で「尊厳死」について言及します。ブログ主はアンデラ哲学勢を自称しておりますのでこういったことを取り上げますが、私に希死念慮や自殺ほう助の意図は一切ありません。
【絵のあとがき①】
今回は急遽絵が二枚ありますので一枚目から。この絵はけっこう苦労した…。5人描くのもたいへんだし、個人的にはゾンビ嫁さんはかなり思い入れのあるキャラなので彼女の最高の死を表現してあげたい!それがアンデラ哲学勢としての私の使命である!と力んで描いた感がある。
…
【子供たちと風子との会話から分かったこと】
①ゾンビ嫁さんの腐る前の姿
ゾンビ嫁さんは子供たちが通うヒマワリ保育園の先生だったことが判明しました。アンディたちと初めて会ったときに''SUNFLOWER NURSERY''と書かれたエプロンを着ていたので同一人物であるとわかります。
子供たちを地下に匿って自分は腐食に蝕まれながらも花嫁になるという夢があるから死なない!と明るく言って子供たちを安心させました。なんて勇気がある魅力的な女性なのでしょう。
②腐らないための攻略法
子供たちの腹に表示されたカウントも子供が夢や希望を思い出すたびにカウントが延長されることがわかりました。子供たちが腐ってないのは励まし合って夢を忘れないでいたからです。腐らないための攻略法がここで明らかになりました。
松岡修造さんならこの町でも生存できそうですね🔥
…このふたつの情報をつなぎ合わせるとゾンビ嫁さんはアンディたちと出会う時点で腐ってしまっていたので一回花嫁になるという夢を諦めてしまったということなんですよね😿
でもアンディたちとの邂逅で夢を叶えた!
※ちなみにアンディが嫁と認めたのは作中ではこのゾンビ嫁さんだけです。風子は嫁認定してない😏
シェン、風子、子どもたちはアンディ連合軍に合流します。
ここで子どもたちがゾンビ嫁さんに対し先生!と呼んでいるので風子はゾンビ嫁さん=先生であると認知します。先生としての素晴らしいエピソードを聞いているのでここでゾンビ嫁に好感を抱きます。
つまり風子はゾンビ嫁さんに特大の不運を付与できるようになったということです。
【ゾンビ嫁さんの最期の選択ーリビングウィル】
簡単にいうとゾンビ嫁さんが特攻したって話なんだけれど、なぜか特攻という言葉を軽々しく使いたくはなかった。
だから最期の選択・リビングウィルと題しました。
アンディ連合軍はスポイルと殴り合うがにっちもさっちもいかない様子。
シェンはゾンビを煽動していることについて『このまま生き続けるくらいならせめて…というアンディさんなりの気遣いなんだ』とかなり話の本質を見抜いた評価をしています。
戦いの中、アンディは火薬庫?の存在に気づきます。不運の種としてうってつけです。アンディはゾンビたちに風子に触ってスポイルにアタックしろ!と指示します。
風子は『そんなのゾンビだって嫌に決まって…』と言いかけたところ…
ゾンビ嫁さんがすかさず駆け寄り、ぎゅっと風子に抱き着く。
風子は泣いた。
泣いたのはゾンビ嫁さんがこの後どうなるかすべてを理解しているから。自分の不運のせいでこの後ゾンビ嫁さんは本当の死を迎える。でも特大の不運を私にちょうだい!私が命と引き換えに化け物と戦う!というゾンビ嫁さんのリビングウィルを風子は尊重した。
だってもうこの人たちは「人」に戻れないもの…。心は腐ってないとはいうけれど、肉体はもう人には戻れない。肉体の尊厳は奪われた。現実としてこのままゾンビとして生き続けるのは厳しい。
「肉体は魂の牢獄である」という古代ギリシャの言葉があるが、これはあまりにもむごい。だからゾンビ嫁さんはゾンビのまま生き続けるより最高の死を選択したんだ!
不運を付与したゾンビ嫁さんや他のゾンビのおかげでスポイルは火薬の爆発に巻き込まれ、重傷を負います。
【ズルすぎるアニオリ】
特大不運を付与されたゾンビ嫁さんがダッシュでスポイルに駆けていく。一瞬風景が変わり、彼女がヒマワリ畑を駆けていくような描写に変わります。
これはアニオリです!こんなところで素晴らしいアニオリ挟むなんてズルすぎるだろ!!!
ここで不意討ちされてブログ主は本気で漢泣きしてしまった…。前回記事の末尾で上から目線でハンカチ片手に~といったが、ハンカチ必要だったのは自分だった…。
【ゾンビ嫁さんから学ぶ尊厳死】
寝たきり大国の我が国日本では、老人が胃ろうにつながれて意思表示する能力もなく、生きているのか死んでいるのかよくわからない、まさにゾンビのような状態で毎日生かされている。保険点数稼ぎや家族側の事情で。
他人の生を否定してはいけないことが大前提だが、ただ生きているのが絶対に本当に正しいことなの?そこに尊厳はあるの?ゾンビとして生かされるむごい生と、人間としての誇り高い死、どちらがよいのだろう?
現代日本ではとりあえず延命しとこうという意見しか通らない。どんな姿になろうと望むならば当然生きる権利はある。でも終わらせたい場合は?生きる権利はあるのに死を選ぶ権利が奪われている。これがおかしい。
自分で自分の最期を決める権利を持ち、それを実行するということが『最高の死』の一つの形なのではないか?それをゾンビ嫁さんは身を以て我々読者に提示してくれたのです。
ここで前半パート終了です。
出発の時間がきた。そして、私たちはそれぞれの道を行く。
私は死ぬ、あなたは生きる。どっちが良いのかは神だけが知っている。
- ソクラテス -
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【絵のあとがき②】
本当は最初の一枚だけで終わらせるはずだった。
予想を超えてこのシーンまで話が進んでしまった😵💧
これは来週用に描いていたのだが7話終了後急いで書き終えたwww
もしかしたら差し替えるかも。
【シェンと学ぶ中国語】
哪里哪里 nǎ li nǎ li(いえいえどういたしまして)
(ナ↑ーリ↓ーナ↑ーリ↓ー)とめちゃくちゃ面白い発音しますので是非覚えてね!
【スポイルと風子の問答】
スポイルはなんということでしょう…第2形態に突入してしまった。
近づいただけで腐るし首がニョイっと伸びるしとてもやっかいです。本格的な攻略は来週に持ち越しです。
スポイルと風子はジーナ戦に続いてまた禅問答をします。
『なぜわからない?我が生まれたことで追加された美しい命の循環。』
『我が生まれる前の世界は物事は停滞していた。物が朽ちず何もかも醜く積み重なった。』
『それ我が変えた。するとどうだ。生命はより長く残ろう足掻き考え成長していった。必要なルールだ。』
『百も生きれん身体に何を固執している?』
それに対して風子は『夢があるからだよ』と答えます。
『大なり小なり夢があるからお前が作ったルールでぶち壊されてたまるか』
『身体が無理矢理腐っても夢があれば!!心は絶対に腐らない!!』
『私の夢は!普通のカラダになって!最高に幸せになって死ぬこと!それまで何があっても諦めない!』
ジーナとの問答を思い出してください。
ジーナ戦と違うのは変わる(=腐る=死ぬ)こと自体については肯定する者同士で対立してます。
問題は如何に変わるか(死ぬか)です。ただ何でもかんでも死ねばいいというわけではなく、人生をまっとうして満足した形で死ぬことに意味があると戸塚先生はゾンビ嫁さんと、そして彼女の死に様から学んだ風子に言わしめているのです。
よりよく生きる道を探し続けることが、最高の人生を生きることだ。(ソクラテス)
やっぱりアンデラは哲学でしょ?!
スポイル戦はもうちょっと続くのですがゾンビ嫁さんのエピソードはここでおしまいです。私がなぜロンギング編が大好きなのかちょっとでもご理解いただけたら幸甚です。
次回はちょっと重要なキャラが出てきてアニメ新規勢は混乱するだろうな😂
まて次回。
安楽死は英語に訳すとEuthanasiaです。YoutubeではEuthanasiaと検索すると海外メディア系の動画で安楽死のシーンが映しているものがちらほらあります(大昔はもっとあった)。私も昔は安楽死ってなんか怖い…と思ってましたが百聞は一見に如かず。実際に穏やかに亡くなっている様子を映像で見てイメージが変わりました。
以下の動画では実際に医者や家族に見守られながら、薬を飲んで円満に亡くなる様子が映像に残っております。意外に残酷さを感じません。見ていて不思議な気分です。死はエンタメではありませんが、尊厳死についてのイメージを変えてみたい方は試しに見てもいいかもしれません。勿論見る見ないはあなた次第です。