前回記事はこちら。
酒場でのジーナ戦感想、ユニオンの説明、服のUMAクロちゃん登場の3つの要素が詰まった回です。
とくにクエスト発表のシーンはアンデラの世界観を確認する上で何回も見直したほうがいい回です。
【絵のあとがき】
今回はどんな絵描くかすごい迷ったのでテイストを変えてみた。アニメ見てみると微細は違っていたがスピード重視でそのままアップします。描いてみて思うのは、やはりこの人たちは変人集団だなということ😂
※11.08あとがき
你来了の你は『あなた』という意味で二人称単数形です。アン風に対してよく来たね!というのならば二人称複数形である你们を使用するべきでした。你们来了が正解だね…。
【酒場でジーナ戦振り返り】
酒場にてジーナが哀れで泣く風子。アンディはジーナは本当は生きるのに疲れて死にたがってたからお前の不運で死ねて救われたと言います。ここもアンデラ的死生観が表れています。古代ギリシャまたは東洋思想的です。
Wikipedia『パイドン』死の問答ー自殺禁止・冥府の希望より引用
ーソクラテスは「人間にとって死ぬことは生きることよりも例外なく無条件に善いことだが、それを自ら成すのは不敬虔であり、他者がそれを成してくれるのを待たねばならない」と言う。ー
『最高の死』ってなんでしょうね?
よく現代でも末期医療の世界でホスピスや宗教的ケア、尊厳死などの概念が議論になっています。
古代ギリシャ哲学において『肉体は魂の牢獄である』という言葉があります。死は解放であると考えました。生きることが絶対正義とは限らない。むしろ生の苦しみから解放されるという捉え方もできます(これは仏教でも同じことを言ってます)。
東洋思想的に言えば生きるも死ぬも相対的なものだという捉え方もできます。古代東洋哲学と古代ギリシャ哲学って何故か言ってることが似てるんですよね~🙄
一見不運な出来事も認識を変えれば肯定できる、アンディのバトル哲学がここでも風子の罪悪感を救済しています。
…ところでジーナは果たして本当に死んだのでしょうか?ジーナは生き様というか死に様を通して風子の価値観に影響を与えました。ある意味風子の中でも生きていると言える。
風子はジーナのようなかわいそうな人をもう無くしたいからユニオン入って変えようと決意。アンディもそれに乗ったところで組織からお迎えが来ます。
【アンディの『挨拶』】
よく見てください。噛みちぎっているのは指8本です。小指以外を噛みちぎってます。今ユニオンの席は10個。ジーナとボイドが消されたので10-2=8です。その8人に『挨拶』するので8本なんです。凝ってるよね。
いやぁー、これから協力関係になるかもしれないメンバーにこういったケンカを売る初期のスレたアンディが本当に好きだった!
『毒を以て毒を制す。』…生きていくため、大切なものを守るために獲得せざるをえない毒って世の中にはあるよね。脇役にそういうキャラがいるケースは枚挙に暇がないが、主人公がモヤシっ子のオタクの苦手そうな顔面コワモテ毒ありオラオラ系ってのが新鮮でたまらなかった!
【ユニオンメンバーの悲喜交々】
はじめに言わせて。
くぎゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!
シェンは屈託のないきれいな笑顔でアン風を迎えた一方、球ガキことタチアナはジーナを殺した件でアン風に激しい怒りをぶつけた。この受け入れのシーンではユニオンメンバー各自のアン風に対する感情や人員入れ替えについての考え方が比較で分かります。
タチアナが知り合いを殺されたことに怒るまっすぐな(見方を変えると未熟)感性を持っていることがよく分かりますし、対極的にシェンがアン風の代わりに同僚が二人殺されたこと、そうなるように自分が仕向けたことを何とも思わずニコニコ笑っていることから異常な感性を持っているということが分かるシーンです。
タチアナの保護者枠のビリおじはタチアナに対しアン風に怒りをぶつけるのは止めなさいと諭している。他のユニオンメンバーも無言です。ということはユニオンでは『人員の入れ替えなんてこういうものなんだ』と割りきっているor割りきらざるをえないと理解していること分かる。ユニオンは本来アットホームじゃなくてむしろ外資系企業なんですよ。
…ボイドさんの死が誰からも悲しまれていない…。
【ジュイスの能力から見えるもの】
アンディとタチアナがバチったときにジュイスが能力を発動して止めておりましたよね。アンディとタチアナに起きた現象の共通点は相方に攻撃しそうになっているということです。タチアナはどうみてもビリおじが大好きなのに意図に反して攻撃しそうになっている。
つまりこれをアンディに置き換えるとだな…
アンディは風子のこと好きってことじゃないか😍😍😍💖
口や素振りに出さなくてもこういう描写でキャラの心理を見せてくるのがアンデラにおける描き方です。
【ユニオンは神を殺すために活動している】
ユニオンは労働者組合ではありません(笑)
アンデラ世界の神から本(アポカリプス:通称アポちゃん)を通して期限までにやるべきクエストを課せられて、そのクエストをクリアすると難易度に見合う報酬、できないとペナルティが与えられる。クエストを適度にこなしつつ本の向こうにいる神を殺すのがユニオンの目的です。
本(聖書やコーラン)を通して神のご意向()を知るっていうのが何とも一神教的だよね。
ここで怖いばかりのユニオンにも大義名分性があったことが提示されて読者の敵意が緩和されるわけです。
神を殺す、これは一神教的世界観ではあり得ないことですよね。ひとつの神が絶対普遍かつ不変で正しいのだから殺すなんてあり得ない。
硬直した一神教的世界観の打破がユニオンの目的でありアンデラのテーマに重なるわけです。
クエスト発表のシーンについて。アニメは演出命でそれはそれでかっこいいが、情報量が少ない。原作ではもっとクエストの内容の情報量がずっしりしていて、一目瞭然ではないが重要な伏線が散りばめられているので是非ご参照ください。原作第二巻収録です。
【ジュイスと風子の問答】
あくまで淡々と課されたクエストをこなすために早速作戦会議し始めるジュイスに風子がそもそも否定者を犠牲にしてでもやるべきことなのかを問う。ジーナ戦で決意したことをさっそく行動に移してます。
それに対してジュイスが上記で述べた大義名分を説明し、そのやり方に不満ならクエストこなして第一席になって私から主導権を奪えと言います。
やっぱり外資系っぽいでしょ?
ここでのジュイスと風子の問答は後々重要なポイントになりますので覚えておいてください。
【これが私の着たい服】
後半パートはシェンの『受け』であるムイちゃんと服のUMAクロちゃんの紹介回です。実は前半パートと後半パートはそれぞれ別の回なので今回は2話収録となっています。
中華主従っていう設定が好きな人には好きらしい。
ムイが否定者になりたがっている、ここもよく覚えておいてください。アンデラではかすかな発言や描写も見逃さないでください。
ムイの声優さんも発音頑張ってね💖
知道了(zhidao le)(分かりました)
中国語頻出表現の一つなので是非覚えよう!
zhiの発音が難しいんだなこれが。
UMAナンバー1129はいい服をもじってます。寄生した人間の着たい服を着せてあげる代わりに体を支配します。
最初にアンディとシェンを襲った一般事務員はジュイスのコスプレをしていたのでジュイスのファンです。ムイちゃんは否定者になりたいので寄生された途端ユニオンバッジのパチモンが襟元に現れました。描写細かい☺️
UMAにも感情や思考のようなものがあることもここで描写されました。
アンディの海苔をあんまり露出させるわけにもいかないのでクロちゃんというすぐに再生できる便利なキャラが仲間になってくれました(笑)
今日はユニオン入団式までだと想定していたがクロちゃん回までやったから長くなっちゃった…。
まて次回。
後記
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