アンデラファンの皆さんは第二巻に登場した腐った花嫁さんを覚えていますか？
ハロウィンだったのでアンデラでホラーらしいものを描こうということでかねてから構想のあったゾンビ嫁さんを描きました。
ＵＭＡスポイルによって腐らされてゾンビ化して、異形の存在と化しても最期まで子供たちを守り乙女の夢を持ち続け、人としての尊厳を失わない様にじーんと来ましたよ。
自分の命を爆弾にしてでも誇りをもって災厄と戦う彼女たちのことをアンディに「腐ってねえな！」と言わしめる描写には戸塚先生の技巧を感じた。アンディは人を見た目ではなく中身で評価する漢だというのも分かる。
アンデラは「最高の死」を見つける物語。まずゾンビ嫁さんが一つの「最高の死」の有り方を示してくれましたね。人格を否定されても心まで腐るな！夢を忘れるな！諦めるな！神だろうと何だろうと恐怖で媚びるな！恐怖に隷属させられて漫然と生きることより自分の人としての尊厳を守って命を全うすることこそが最高の死の一つの有り方なのだというメッセージを感じます。…これは本当に難しいことだね。私も目の前で銃を突き付けられたら本能的な恐怖で屈服してしまうと思うけれど、心までは隷属したくない。
風子に猛烈アタック中なのにゾンビ嫁さんと結婚式挙げてくる！と言い出して結婚式の許可を風子にとってくるのもコミカルで面白いし、それに風子も笑って送り出すところもなぜかいい意味で少年漫画らしくなさを感じた。アンディも風子も表面はただのバカップルだけれど今までけっこう辛酸舐めてきたのでたまに悟ってる。そんな二人が好きだ。
この絵の解説としては冥界から還ってきたゾンビ嫁さんが見たのは、子どもたちが平和になったらゾンビ嫁さんこと先生にたくさん上げたいと言っていたヒマワリの花が舞う光景。ヒマワリの花が辺りに咲いている。平和が取り戻された。墓には【安らかに眠れ。我らが勇敢な花嫁】と刻まれている。墓前には４輪のヒマワリが手向けられている（こどもたちは４人）。
死んだ時の状態なのでもう衣装もブーケもボロボロ。古いブーケの代わりにヒマワリの花をもらってくわよ！ありがとう！いいね！最高だ！という状況を表現しました。
（ゾンビ嫁さんは爆死しているので本来、体は木っ端微塵で墓はないはずだがそこはまぁ多少はね？）
