【絵について】
第一話ラストの二人を絵にしてみました。TEMPEST=嵐。この二人が結婚したことは春の嵐みたいな突発劇だったのでTEMPESTと名付けました。
AIプロテクトをかけてみました。ちょっと画面がノイズかかってますけどご容赦を。ノイズ加工意味ないっていってるAI術師もいますが、プロテクト解除させるひと手間があるだけでも有意義だと思います。
【総括】
今回は原作第二話をベースとして若干アニオリが織り交ぜられておりました。いいアニオリでしたね。
この第二話は夜桜独特の世界観(きわめてライトであけっぴろげなスパイの世界・太陽と六美の関係・夜桜における家族観)の説明回に位置していると考えます。
【太陽邸爆破】
春の嵐のような出来事から無事帰宅した太陽ですが凶一郎に不法侵入されて強制的に起床されられるシーンからスタートします。
当時本誌で第一話を見た後かなり無理やりな方法で義弟になってしまった太陽に凶一郎がどう接するのか見たくて見たくて続きを読もうと思ったのを覚えています。週刊連載の漫画を楽しみにしてしまうなんてマジで何年ぶりのときめきだったのだろうと、あのとき人生の中でかなりキツイ時期でしたが少しずつ自分の世界に小さな色彩ができたのを感じました。
この太陽邸がさくっと爆破されて、そのまま太陽が夜桜邸に住み着くのですが、そこが原作ではあまりにもしれっとしすぎたため、今回第二話エピローグできちんと太陽が夜桜邸に同居するエピソードのアニオリ補強があったのは流石わかってらっしゃると感じました。
【夜桜一家の特殊な遺伝システム】
ただのコメディ一家ではなくれっきとしたお家の当主だった六美。
大学受験では生物選択で進化生態学が個人的に好きな私にとってかなり夜桜家の遺伝システムは面白いと感じた。
当主は必ず女性でその女性は非力だが、必ず生んだ子は次の当主以外は超人になるという遺伝子システム。女王を守るアリやハチの生態にも似ている。これも進化生態学の世界ではよくある戦法。
作者に生物ガチ勢のオーラを感じてますます興味を持った。あとから知ったけど作者の権平さんも大学時代は生物系の専攻だったらしいのでこの方と私は相性いいかもと思った。
遺伝に興味ある人なら知ってると思うが、男系の遺伝はけっこう脆い。Y遺伝子がどうのこうの言ってるけどY遺伝子は突然変異起こしやすいし托卵リスクとかもあるし男系継承は危うい。家を守るんだったら男系のほうが有利かもしれんが、ガチで遺伝の同一性を確保したいんなら女系なんだよな…。ミトコンドリアDNAという母からしか継承されないDNAは基本不変なのでルーツの解析にもこのミトコンドリアDNAによる鑑定が使用されてます。
以下の動画の解説が平易でとても面白いですよ!
夜桜の家系図の説明に
ちょおおおおおおおお!!!!!
わがいとしのつぼみ様が出演!!!!!!
原作勢かつつぼみ勢である私にはたいへんありがたい。
ミトコンドリアDNAの話をするならまさにつぼみ様がミトコンドリアン・イブなんだよな~。分かってらっしゃる。
【スパイがSNSなんぞやっとるアホすぎる世界】
ここでも夜桜の独特な世界観が呈示された。スパイなんぞがあけっぴろげに光のあたる世界で生活してます。あくまで夜桜はコメディベースでいきますよという世界観の呈示でしょう。
爆弾屋がツイ廃すぎて自爆するというのは私が夜桜界隈で実際に撃墜した将軍様絵師に起きた出来事なので後から見ると正直ワラエナイや😅
肥え太った承認欲求と自己愛は我が身を滅ぼす。
【私と結婚してくれてありがとう】
六美の抱えているものを知って六美を守ろうとしている太陽の等身大の健気さがいい。「嫁を守らねば」とギリギリしてる太陽もキュンとした。
等身大でいいんだよ。たとえ地味であっても。
善良であり続けることはそれだけで立派な能力です。
健気で善良であり続けることって実はとても難しい。
善良な羊の群れには必ず羊の皮を被った人狼が紛れ込むものです。
そのときにどう動くかで道が分かれる。
私も屠られるだけの羊ではいられなかったから牙を持つしかなかった。
だから善良であり続ける人間は尊敬する。
慣れない六美の警備に疲れて教頭室で休憩するシーン。こんな俺が婿でいいのかと六美に問う太陽。
「太陽だからいい」と即答する六美。ずっと太陽がお婿さんだったらいいなと思ってたと吐露する。
「私と結婚してくれてありがとう。」
…世の中の恋愛ってなんかおかしいと感じる。男は女を若さと容姿で品定めし、女は男を年収と容姿で品定め。愛とやらが金と性にすり替わってる。キャラをとにかく発情させて描くとてぇてぇらしい。
愛と性欲の区別がついてないらしい。そんな安ぴか恋愛が礼賛されている社会にうんざり。
そんな社会に疲れていた私に染み入る何かを感じた。
この二人の素朴な純愛が私のノンセクシャル的恋愛観と合致した。応援したいと切に願った。
でも夜桜界隈は四怨と嫌五といういかにもな顔キャラをそれこそお人形のように着せ替え遊びするのが覇権らしい。…それって愛じゃなくて愛玩では?と思う。
【最後のアニオリ】
原作ではたまやは長男と太陽で撃破してたけど、今回アニオリで他のきょうだいも出動してたね。このきょうだい全員で集団戦法するのは原作では花屋と戦う回ではじめてだった気がする。正直あのとき「あっ…(打ち切り)」とおびえたのを覚えている。
まぁつまりきょうだいの絆の魅力はもったいぶらず早めに持ってきた方がいいという戦略的判断なのだろうか?
「時には自分すらも疑うべきこの世界でも唯一信じられるものがある」
「それが俺たち家族だ」
「俺はお前を殺したいがこの身に変えても決して死なせはしない」
この凶一郎の言葉にも太陽と凶一郎の謎の義兄弟関係が集約されていて、私が気になっていた関係性に対する答えがさっそく呈示されてきちんとまとまってる!と感心したのを覚えている。基本はコメディベースだが、家族愛のテーマ性はちゃんと忘れない。
太陽と六美がたま屋自爆後のツイートに二人でいいねするシーンはかわいいアニオリだった。
原作捻じ曲げ同人女みたいなノリの脚本家ならぬ脚色家が改変しまくったドラマのせいで原作者が亡くなった事件があったばかりなので正直アニオリ多めは不安要素もありますが、今のところは満足してます。
「なんたって私と太陽は夫婦なんだからね♪」
まて次回。
私の